障害者雇用の取り組みを推進!チャレンジドチームの紹介
2024年4月、障害者雇用の取り組みをより推進していくため、障害のあるメンバーと、障害のあるメンバーをサポートするメンバーで構成されるチャレンジドチームが新設されました。
今回はチャレンジドチームを立ち上げた背景や、チームを運営する上で工夫していることをご紹介します!
立ち上げの背景
サイボウズでは、2021年に障害者雇用を推進する役割をもった「障害者インクルードチーム」を立ち上げ、様々な活動を行ってきました。
今までの障害者採用のスタイルとしては、社内各部門に配置する、いわゆる「分散型」で採用活動・定着支援を行ってきました。しかし、分散型の場合、各部門のメンバーと協働して業務を行うことが前提になるため、「合理的配慮の提供範囲が限られている」、「部門内で業務が用意できない(マッチする業務が1人月分に満たない)」などの理由で、受け入れできる障害の種別や程度のキャパシティを広げることができませんでした。
そこで、多様なメンバーが活躍できる場の選択肢を増やすために「集約型」採用としてチャレンジドチームを立ち上げました。
チャレンジドチームは、障害のあるメンバーをサポートする役割として「企業在籍型ジョブコーチ」を配置し、障害特性に応じたより細やかなサポートや体制づくりができることが特徴です。
現在は前述のサポートメンバー2名に加えて、精神・発達障害のメンバーが4名所属し、今後も主に精神・発達・知的障害の方を対象とした追加採用を予定しています。
チャレンジドチームの業務内容
チャレンジドチームは人事本部アシスト部に所属するチームで、各部門から業務を集約させてチーム内のポジションを作っています。
現在行っている業務内容は大きく「定型業務(各部門の周辺業務)」と「専門業務(動画制作など)」の2つで、業務内容ごとユニットで分かれて活動しています。
業務を切り出す際に大切にしていることは、クオリティや正確性を担保しつつ、業務切り出し元とチャレンジドチームの業務担当者双方が安心して仕事を進めることができること。そのために、業務切り出し元と作業フローや想定するイレギュラー時の対応などを細かく確認し、メンバーの特性に合わせて理解しやすい業務マニュアルを作成するようにしています。
採用における工夫
新メンバーを受け入れる上でこだわったことの1つが「採用選考」です。
従来の障害者採用は、【書類選考→1〜2次面接→面談→最終面接】といった選考フローでしたが、今回の集約型採用では受け入れる障害の種別や程度を広げていきたいという点から、より丁寧に、安心感を持った状態でマッチングを図れるよう、選考フローに「3日間の実習」を取り入れました。
実習は東京オフィスにて対面で行い、主に下記4点のコンテンツを用意しました。
会社について理解を深める「講義・ワーク」
会社の“人“について理解を深める「チームメンバーとのざつだんタイム」
チームの業務について理解を深める「業務体験」
上記を通して、自分の強み弱みやサイボウズで働きたいと思うか振り返る「振り返り・内省」
その中でも特に重視しているのは、「振り返り・内省」です。
実習では、参加者のスキル感や基本労働習慣が十分かといった点を一方的に評価するだけでなく、3日間過ごす中で、「お互いに一緒に働きたいと思えるか」という感覚的な部分を確かめ合うことを一番の目的としています。
そのため、ただコンテンツに参加してもらうだけはなく、それらを通してどう感じたか、自分自身の価値観やスキルとどうマッチしそうか、もし入社するとしたらどんなふうに活躍できそうか…など、「参加者自身の考えや想いを表現してもらう機会」を大切にしました。
実習を行い、参加者からも「サイボウズで働くイメージが湧いた」「こういったところがサイボウズにマッチすると思った」「自分にはこういう強み・弱みがあると気付いた」などの声をいただきました。結果的にご縁がなかった方との出逢いも、お互いにとって学びのある機会になっています。
業務OJT・オンボーディングにおける工夫
新メンバーが安心して職場に定着し、特性を活かしながらパフォーマンスを発揮することができるよう、チーム内のオンボーディングやOJTの進め方も工夫しています。今回はその一部をご紹介します。
業務のOJT
前述の通り、チャレンジドチームでは各部門から業務を集約してポジションを作っているため、チーム内で扱う業務の種類や内容は多岐にわたります。数ある業務を個人のペースに合わせて着実に引き継いでいくために、業務OJTでは「業務引き継ぎの3つの段階(伴走期・見守り期・自立期)」を設け、月に1回の振り返り面談では「それぞれの業務が今どの段階にいるのか」すり合わせるようにしています。
この段階を丁寧にすり合わせることで、新メンバーの理解度に応じたサポートを行い、成功体験を積みながらひとり立ちすることを目指しています。
また、振り返り面談では段階のすり合わせに加え、「好き・得意だと感じた業務」も確認し、それを踏まえてメンバーの業務分担を見直すようにしています。
メンバー1人1人の「強み」や「得意」を活かし、自信をつけてもらうこと。それがチャレンジドチームの業務OJTにおけるポリシーです。
オンボーディング
チャレンジドチームではチームの共通言語として、「すこやかに、チームワークよく、成長・貢献する」という行動指針をかかげています。
一つひとつは働く上で当たり前に必要なことですが、その「当たり前」を蔑ろにせず、大切にしていきたいという想いを込めています。
この行動指針の意味を理解して体現できるようになるために、様々なテーマのオンボーディングを実施しています。
オンボーディングの一例は以下の通りです。
▼健康管理・セルフケア研修
働く上で必要なセルフケアを行えるよう、基本的なメンタルヘルスの知識を身につけ、自分にあったセルフケア方法を考えるといった内容です。
研修では体調の状態を5段階に整理した「体調評価表」を一緒に作成し、その評価表を基準にして毎日出勤時と退勤時に体調の記録をつけてもらっています。ただ知識を身につけるのではなく、すぐに活用・実践できる内容であるということもポイントの1つです。
▼学び合い勉強会
メンバーそれぞれが働く上で身につけたい・学びたいと感じるテーマを集め、それをチームメンバー全員で学び合う機会を設けています。自身の成長のために何が必要か自主的に考えること、メンバー間で学び合うことで成長の相互作用が生まれることを目的としています。
さいごに
チャレンジドチームはまだ小さなチームですが、チームの立ち上げを通して「多様なメンバーが活躍できる場の選択肢」がまた1つ増えたと感じています。今後も多様な仲間を増やしていくため、毎日トライ&エラーを繰り返しながら、「多様なメンバーが安心・安定した状態で事業に貢献できる体制づくり」を目指していきます!