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インフレ特別手当を支給!急激なインフレに特急対応した舞台裏

2022年7月13日に「インフレ特別手当」についてのプレスリリースを公開しました。 

このnote記事では、「インフレ特別手当」支給の背景と支給決定までの裏側をご紹介します。実際の社内メンバーの声や議論の様子も載せていますので、舞台裏を覗いている雰囲気を感じてもらえたらと思います!

1.なぜインフレ特別手当を支給する? 

インフレ特別手当を支給するコンセプトは、下記の通りです。

  • サイボウズメンバーが

  • 急激なインフレによる生活の不安を軽減でき、業務に集中できること

このコンセプトから、グローバル拠点を含めた無期・有期雇用メンバーを対象としています。 では、どのようにしてインフレ手当の支給やその対象や金額が決まったのか、その経緯をお伝えします。 

インフレ特別手当支給までの検討フロー 

● 急激なインフレへの対策を検討開始
6月、サイボウズの拠点がある国々でインフレが起き、とくに日本・アメリカ・オーストラリアのインフレは顕著でした。そこで世界的なインフレに対してのメンバーの不安にどのような対応ができるか議論されました。 
サイボウズの給与改定は1月が基本のため、約7ヶ月間インフレへの不安を抱きながら業務しなくてはいけない状態を払拭したいと考えました。 

● インフレ特別手当の支給決定
急激なインフレへの対応としては、月給の〇%を特別賞与とする案、〇%を一律給与アップする案等、さまざまな方法が考えられます。
しかし、短期的なインフレへの対応として一律の割合で給与をアップさせるというやり方は、メンバー1人ひとり異なる月給の金額をもとに手当額が変わることとなり、今回のコンセプトとはズレが生じます。
そのため「インフレ特別手当」として一定額の支給としました。物価等の環境は長期的には給与相場に反映されてくるはずであるので、今回は短期的なものとしてこの方法を選択しました。

● グローバル拠点のインフレ状況調査
前回記事で紹介したように、サイボウズは日本を含めてグローバルに8拠点展開しています(2022年7月時点)。 日本を含めた各拠点人事メンバーがインフレによる生活への影響を確認するため、各拠点の5年-10年のインフレ率と直近のインフレ率、物価変動や、生活者の体感等を調査しました。 

● 日本の支給金額検討
日本の一世帯当たり年間影響額が6-9万円と試算されているデータを踏まえ、現時点で私たちには物価予測が難しいことや、メンバーの家族構成もそれぞれのことから税金社保負担等も加味して、1人あたり15万円としました。

国が行う社会保障とは違い、今回の目的は「急激なインフレによる生活の不安が軽減し、業務に集中できる」ことのため、サイボウズへのコミット時間に応じて手当の額を4段階*1に分けました。また、対象者も支給日に在籍していて、支給日以降に業務をするメンバーとしています。

*1 支給時の月の就業時間に応じて以下の通り支給額を決定。
 ・128H超                :15万円 全額(8H/日で週4日超)
 ・96H超128H以下 :12万円 4/5の金額(8H/日で週3日超)   
 ・64H超96H以下  :9万円   3/5の金額(8H/日で週2日超)
 ・64H以下              :6万円      2/5の金額(8H/日で週2日以下)

※()内は目安の勤務時間/日数

● 海外拠点の支給金額検討
日本は他拠点と比べて物価が安定している国なので、普段から物価変動を気にすることはあまりないかもしれませんが、常に物価上昇がある国やアップダウンが激しい国もあります。
今回の手当支給は急激なインフレに対する対応のため、直近のインフレ率ではなく、通常時と比べてどのくらい大きな変化があるか等、これまでの傾向と比較してサポートの必要性を検討し各拠点の手当金額を決定しました。
また、生活への不安がなく業務に集中できるためというコンセプトのもと、国の平均給与との差も考慮しています。 
常にアップダウンが激しく、年2回の給与改定を基本として行なっている拠点もあり、その拠点については今回の急激なインフレ手当の対象外としています。 

2.今後も継続的にインフレ特別手当を支給するの?

答えは「NO」です。
基本的には、年の給与評価の際に実施する調査等で、給与相場をもとに給与を決定しています。その中には物価変動等、社会情勢要素が含まれたものになっているはずです。
そのため、全メンバーの給与がインフレ率に応じて上がることや、その分のインフレ手当が毎回出るようになるわけではありません。
今回は、昨年の給与決定時の給与相場から急激なインフレが起きたため、急遽一時的な対応として「インフレ特別手当」の支給を決定しました。

3.社内メンバーの反応は?

社内ではインフレ特別手当の支給発表後、さっそく反響がありました。
「インフレ手当ありがたい」というコメントがたくさん投稿されています。

インフレ特別手当についての社内メンバー声
社内メンバーの声(kintoneへの書き込み)

また、インフレ特別手当支給について記載した投稿にも、100件を超えるいいね!があり、その日の社内いいね!ランキング1位でした✨

人事本部長中根 社内ピープル
人事本部長 中根のピープル

一方、最初の案では、短時間勤務のメンバーが低くなりすぎないように配慮したうえで手当金額を3段階に分けていましたが、社内メンバーより「数時間の違いで金額の差が大きく、コミット時間との比率に違和感がある」との意見がありました。
そこで、多様な働き方のグラデーションが存在している中でのコミット時間と手当額の比率を探り今回の4段階に変更されました。

助言とその後の議論
社内メンバーから助言と議論の様子(一部抜粋)

社内メンバーとコンセプトを踏まえてオープンに議論した結果、より多くのメンバーが納得感を持って受け取ることのでき、今後の業務に集中して取り組める結果に繋がっています。

4.人事本部長 中根からのメッセージ

日本で生活をする者の1人として、急激に物価が上がっているなと感じています。食用油の値段も今年に入って何度か値上がりしていて、私自身も自然と節油しています。やはり生活にかかるお金のインパクトは大きく、インフレの不安を持ちながら通常通り業務に集中できない人もいるだろうと思います。
家族人数や居住地域、個人の生活スタイルや嗜好によって、物価が与える影響も100人100通りでしょう。本来はそれぞれマッチしたサポートができることがベストかもしれません。
ただ、社内でも物価高への不安の声も上がってきている中で、不安が軽減される金額とスピードのバランスを考えたうえで、今回は、個別ではなく上記の内容での支給を決めました。
支給日も当初は8月の予定でしたが、早く現金が手元に届いた方がよいだろうと、さまざまなメンバーの協力によって7月中に支給できることになりました。チームワークを発揮して、今回の支給準備を進めてくれた皆さんにも感謝します。

5.おわりに

ニュースでも頻繁に食品や生活用品の値上げが発表され、このままどんどんと物価が上がっていくのかな?という不安の中でのインフレ特別手当の支給は1メンバーとしてとてもありがたいです。
この手当によって社内メンバーの不安が軽減すること、またこの発信を見た方が、自分の会社でもインフレに対してどのような対応ができるか検討するきっかけや参考になったら嬉しいです。
引き続き社会の情勢に合わせたサイボウズの取り組みについても発信していきますので、ぜひフォローお願いします!

記事を書いた人 反町 琴美

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