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日本初!持株制度をグローバル展開した背景とその裏側に迫る! 〜有期雇用メンバーへの適用拡大も〜

2022年6月30日に「グローバル持株制度」についてのプレスリリースを公開しました。

サイボウズ、日本企業初のグローバル持株制度を海外拠点へ拡大
〜国内では新たに有期雇用メンバーも持株会加入対象へ〜
https://topics.cybozu.co.jp/news/2022/06/30-18196.html

この記事では、2023年1月から運用開始予定で絶賛準備中の「グローバル持株制度」「有期雇用メンバーへの対象範囲拡大」について、導入への想いやプレスリリースまでの取り組みをご紹介します。

1. 持株制度のグローバル展開を決めた背景

持株制度のグローバル展開について説明する前に、これまで運営されてきたサイボウズの従業員持株会についてご紹介します。

サイボウズの従業員持株会って?

サイボウズの従業員持株会は、下記目的で運営され、奨励金は拠出額と同額の100%(*1)です。※持株会の変遷は2009年のプレスリリース参照

サイボウズの理想に共感しているメンバーが、
・株主になることで、よりオーナーシップを持って業務に取り組める
・個人の長期的な財産形成につながる

持株会への入会は、前回記事の「サイボウズのキャリア支援で大切にしている3つのこと」でご紹介した"自立"した選択のひとつで、2021年時点の加入率は90%です。

*1 1か月の持株会拠出限度額および奨励金上限額は、月額給与の1/10かつ5,000円単位。

なぜ持株制度をグローバル展開するの?

サイボウズは組織のグローバル展開を進め、現在アメリカ・中国・ベトナム・オーストラリア・台湾・タイ・マレーシアの7拠点、日本を含めての8拠点を展開しています(2022年6月時点)。

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日本と海外拠点のメンバーが一体となって活動する機会も増え、海外拠点のメンバーも日本のメンバーと同じように、オーナーシップを持って業務に取り組める制度を、ずっと前から理想としていました。しかし、日本株式を扱う従業員持株会の性質上、さまざまな壁があり実現できずにいました。

とくにアメリカは株式報酬制度が一般的なことや、採用競争力の面からもなんらかの形で株式報酬制度を運用しようと、ファントムストック制度を導入しました。ただ、持株制度と違って議決権を持てないため、持株制度の目的である「オーナーシップを持つ」ことはできず、会社のキャッシュリスクも高いことから2020年に廃止されました。

実現を諦めかけていたとき、野村證券株式会社から3社(野村證券株式会社、Global Shares plc、Tapestry Compliance Limited)の連携で新しく始まるグローバルでの持株制度の提案を受け、ぜひこの機会にサイボウズ全拠点でやってみたい!とグローバル持株制度の検討を始めました。

2. グローバル持株制度導入までの3つの取り組み 

(1) 各国法律を踏まえた実現可否調査

全拠点の法律について Tapestry Compliance Limited に調査を依頼し、実現の可能性を探りました。7拠点それぞれに法律が異なり、制度導入のために必要な準備も異なるため、各拠点人事メンバーへ説明会を実施し、給与処理など運用面の事前調査・確認を行いました。
調査を重ねた結果、海外資産の購入が制限されているなどの理由から政府の承認がおりず、なくなく導入を断念した拠点もあります。

各拠点の人事メンバーとの質疑応答アプリ(kintoneより一部抜粋)

(2) 6拠点で持株制度導入説明会を開催

持株制度の導入を判断するため、各国の懸念点を踏まえて海外拠点メンバーに向けた説明会を行いました。

持株制度の仕組みは複雑で母語での説明でも理解が難しいため、説明会資料の翻訳や当日の通訳を各拠点人事メンバーやT&Iチーム(*2)の協力のもと、それぞれの拠点に向けて説明会と質疑応答を行いました。そのおかげでメンバーが持株制度について理解した上で、現時点での意見をヒアリングすることができ、制度導入に向けた準備に繋がっています。

*2 グローバルに広がるチームワークを言語面で支援することを目的とし、多国籍なメンバーで構成された言語に特化したチーム

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3か国語の説明会資料(Q&A部分の一部抜粋)
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機械翻訳によるこんなほっこりエピソードも…!!

説明会後のアンケートで、「現時点で加入したいと思うか」をヒアリングした結果、半数以上のメンバーが「加入したい」と回答しています。
その他「わからない」と回答したメンバーが約30%、「加入したくない」と回答したメンバーはわずか3%で、「わからない」と回答したメンバーからも「株式市場/税金や手数料について調べてから判断したい」という前向きな意見がありました。 

また、「採用面でグローバル持株制度は魅力的だと思うか」という問いに対しては、90%以上のメンバーが「魅力的だと思う」と回答しており、海外で馴染みのない持株制度ですが、制度内容に魅力を感じてもらえていることがわかりました。

(3) 時差/言語の壁を乗り越えての他社連携

各社担当者間のコミュニケーションは、サイボウズ製品kintoneの「ゲストスペース」で行っています。
国・言語が異なるメンバー同士のやり取りですが、一人ひとりが話せる言語、連絡のつく時間帯を日本/イギリス時間で記載することでスムーズなコミュニケーションに繋がっています。

MTG議事録を都度kintoneのアプリで共有することや、各トピックごとにスレッドを分けて議論することで、担当者変更があった際もすぐに情報をキャッチアップできる体制を整えています。
実際、サイボウズでも育児休業によるメンバー交代がありましたが、短期間でスムーズな引継ぎができました。

また、テキストコミュニケーションに加え、2021年の後半から2022年の5月まで毎週4社合同の定例MTGを行い、情報共有や確認事項の議論を行いました。事前に議題が日英両言語で共有され、MTG中もGlobal Shares plcの担当者様が逐次通訳してくださったことで、言語の壁を超えた4社のチームワークでプレスリリース公開までたどり着きました。引き続き密に連携を取りながら導入準備を進めていきたいと思います。

4社のコミュニケーションスペース(kintoneゲストスペーストップ画面

3. 日本の持株会も対象を有期雇用メンバーへ拡大

これまでは無期雇用メンバーのみ加入できる制度でしたが、グローバル持株制度の導入と合わせて有期雇用メンバーの加入も可能になります。

サイボウズでは無期雇用であっても一般的なイメージの終身雇用と違い、勤務日数・時間・場所を変更したり、時には会社を一時的に離れたりと、個人の幸福とチームの生産性をバランスさせたマッチングを行っています。
有期雇用も期間の定めはあるものの、その期間においてスキルや経験を活かして、サイボウズでともに活動するメンバーです。
海外での持株制度実現と同時に、所属拠点や契約期間に関わらず持株会の目的を実現できるよう対象範囲の拡大を決めました。

現在、持株会の規約変更や事務局の運営フローの検討・整備など、対象範囲拡大に向けて必要な対応がグローバル持株会と並行して対応を進めています。

4. おわりに

制度の性質もあり硬めの文章になってしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。
会社の理想に共感したメンバーの選択によって加入できる、共感でつながるサイボウズらしい制度の実現に向けて、まだまだ乗り越える壁はたくさんあります。2023年1月の本運用開始までの過程もまた記事にできたらと思っているのでお楽しみに!

今回のように「サイボウズの舞台裏」では、日本だけではなく海外拠点も含めたサイボウズ全体の人事制度や取り組み、苦労や試行錯誤を発信していきますので、興味がある人はぜひフォローをお願いします!

Special Thanks:
グローバル持株制度担当メンバー(恩田・蒲田・李・米谷)


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