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チームワークを支える人事制度の舞台裏! 対面型チームビルディング支援制度「チムビル」とは?

こんにちは。人事本部の綱嶋です。"チームワークあふれるチームを増やすこと"をミッションに活動している「チーム運営支援チーム」に所属しています。今回の記事では、対面でのチームビルディング活動に対しての補助を行う「チムビル(対面型チームビルディング支援制度)」制度のご紹介をします。

2020年以降、急速に広まったリモートワーク。業務の利便性が増した一方で「チームメンバー間のつながりが希薄になった」という声が聞かれることもあるかと思います。チームメンバー間のコミュニケーション促進やチームワーク向上のための次の一手を模索している、人事制度企画・組織開発担当者のみなさま。自チームでのチームビルディングを検討している、チームリーダーのみなさまにとって参考になればうれしいです。

チムビル制度が生まれたきっかけ

この制度が生まれたきっかけは2022年の1月。営業本部の数名のメンバーが教えてくれた悩みがきっかけでした。

コロナによりリモートワークメインになったチームメンバーとの交流がほぼ無くなった。業務自体はまわっていたが、各自作業をこなすだけになり、良いことも悪いことも共有は文字だけになり、実際の温度感や状況がわかりにくいと感じるようになった

「サイボウズ社内には、拠点を超えて所属するメンバーで構成されたチームが多数ある。だが、対面で会おうにも、外部との商談でもないため出張を申請しにくい。もっと気軽にチームビルディングができるよう、制度として支援してもらえるとうれしい

こうした声に応じて、新たな制度の企画に踏み切りました。

新たな制度を形にするまでの道のり

まず取りかかったのは、新しい制度の「コンセプト」を練り上げることです。サイボウズにおけるコンセプトの定義は「誰に(ターゲット)、何と言ってもらいたいか(バリュー)」であり、あらゆる企画の根幹を貫くものとして非常に大切にされています。

社内メンバーへのヒアリングを10数件実施したり、既存の類似制度(出張制度、コミュニケーション支援制度など)との違いをまとめたりしながら、新しい制度が誰にとって有用であるのかを探り、以下のコンセプトを決定しました。

◎誰に(ターゲット)
リモートワーク環境下でメンバーとのコミュニケーションが希薄になったことを問題に感じているチーム

何と言ってもらいたいか(バリュー)
業務としてのチームビルディングが行いやすくなり、チームメンバー間の相互理解やコミュニケーションが促進され、チームワークが向上した!

次に、この制度のポイントとなる「何をチームビルディングと定義するのか」「どんな費用をいくらまで補助するのか」について、検討を始めました。

・脱出ゲームやサバゲーなど、エンタメ要素が強いアクティビティをどこまで許容する?
・単なる会議に飲み会をつけただけのプログラムは、チームビルディングと呼べるのか?
・対面でのチームビルディングに必要な飲食費ってどのくらい? 懇親会くらいはカバーしたいけど、補助額を増やしすぎると当初と目的が違ってきてしまう……

などと、検討範囲が広いだけに想定される懸念も多かったのですが、迷ったときはコンセプトに立ち返りながら議論をしていきました。正直なところ、ここはかなり苦労しました……。そうしてできたチムビル制度の概要は以下の通りです。

チムビル制度の概要

目的:対面の場でのチームビルディングを目的とした活動を支援することで、チームメンバー間の相互理解やコミュニケーションを促進し、リモートワークが主体となった環境下でのチームワークを向上させること
対象者:サイボウズの国内拠点に所属する全メンバー(契約形態を問わない)
対象チーム:継続的な活動の実態が認められるチーム
補助する費用:交通費、会議室費、備品・ツール費、飲食費*、宿泊費**
*飲食費:1回のチムビルにつき、1人あたり5,000円までの利用を可能とする**宿泊費:既存の国内出張制度に準じた上限を設ける
回数制限:1つのチームにつき半期に1度までの利用を可能とする

正式導入を見据えてトライアルを実施

2022年7月1日から12月31日までをトライアル期間としました。トライアル実施の目的は、実際の利用者からのフィードバックをもらいながら制度の改善につなげるため。また、対面でチームビルディングを実施するためにかかる金額感を把握し、正式な制度として施行できるかどうかの参考とするためです。

【トライアル実施 概況】※2022/12/01時点。執筆時点で未実施の申請内容も含む

実施チーム数と利用者数

実施チーム数は47チーム、利用者数は386人(複数参加は除く)
利用者数はサイボウズの総人員数のおよそ3分の1に上ります

実施チームの内訳(本部別)

利用が多かったのは開発本部(14件)、営業本部(11件)でした。また、本部を横断したプロジェクトチームでも2件の利用がありました

概算利用金額(総額約800万円)の内訳

交通費が44%を占めており、遠方在住のチームメンバーと対面で会うニーズが高いことがわかります。ついで、飲食費(27%)、宿泊費(21%)の割合が大きいです。食事や宿泊をともにすることで、コミュニケーションを深めたいニーズもあることが想像されます

【実施されたチームビルディングの例】

・チームのビジョンやミッションを策定する
・ブロックを用いてチームの理想の姿を探求する
わがままカードを用いてお互いの価値観を知る
Teamwork Survey を用いてチームの状態を可視化し、課題について話す
・チームの中長期的な課題について議論する
・各自の得意不得意や興味関心を可視化し、適切な役割分担をする
・焚き火を囲んで語らい合う
などなど……

【チームビルディングの様子】

全国各地のメンバーが東京オフィスに集まって議論をしています
おしゃれなコワーキングスペースを借りて、わいわいとチームビルディング!
ホワイトボードと付箋を使うの、久しぶりにやるとワクワクしますよね~
焚き火を囲んで、チームのこと、お互いのことを語らいながらコミュニケーションを深めます

【利用者の感想】

◎ポジティブな声
「いままで、なかなか難しかった合宿のような取り組みが、気軽にできるのは、本当によい制度だと思います。また、働く時間と場所の制約がなくなった分、地方で仕事をしているメンバーにとっては、一体感を醸成する上で、とてもうれしい制度です

気軽に意見を出し合えるのはリアル開催だからこそだと思う。(画面上ではタイミングなどが難しく意見が出しにくい時があるため)」

「チーム内で唯一関東におらず、コロナや距離もあって会う機会を完全に失って正直モチベーションがかなり落ちた時期もあった。しかし同じメンバーとして顔を合わせる機会を与えてもらえたことで、よりチーム、そしてサイボウズへこのご恩を業務で返していきたいという気持ちが高まった

◎改善につながる声

場所決めに時間がかかった。目的別におすすめの場所を表示する一覧があるととても助かる」

ルールが一部わかりにくい。少しずつ整理が進みわかりやすくなると、さらに使いやすくなると思う」

なお、チームビルディング実施後には制度利用者に対して kintone でアンケートを実施しており、その結果を参考にしながら制度を改善しています。素早いフィードバックがもらえることに感謝!

kintone で作成した利用者アンケートのスクリーンショット
チムビル制度に対する満足度のグラフ。満足に感じた人が9割弱を占めています

制度担当者としての所感

利用者からのポジティブな感想が多く集まってきており、試行錯誤しながらも制度をつくってよかったと感じています。

私もチーム運営支援チームのメンバーとして、チームビルディングのためのワークショップを月に数回程度運営する立場にいます。その際、メンバーのみなさんが久々に対面で集まったときの盛り上がりは何にも代えがたいです。

トライアル開始以降、平均して月に10件前後のペースで開催されており、一見、リモートワーク慣れしているように見えるサイボウズのメンバーでも、チームの一体感をリアルで味わうことを求めている人が想像以上に多いことを知りました。チームが対面で交流できる機会を提供する重要さをあらためて実感した次第です。

今後の展開

トライアル実施の開始から4か月後の11月初旬に、経営会議の場で中間報告を行いました。参加者アンケートからも満足度の高さが見られ、制度継続を希望する声が多く寄せられたことに対し、経営メンバーからも正式な制度化に違和感なしの反応をもらいました。これを受けて、2023年1月よりチムビル制度は正式に施行することが決まりました!🙌

リモートワークがもたらした効率性も大切にしつつ、対面でのチームビルディングも実施しやすいように、人事制度の側面からチームワークの向上に貢献していきたいです。より多くのチームに活用してもらえることを楽しみにしています!

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