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最新の平均年収総額・昇給率も公開!「サイボウズの給与評価」の舞台裏

みなさん、こんにちは!サイボウズ人事労務部の大沼です。
各企業、多くの業務が発生する年度末を越え、新年度を迎えられたことと思います。年度末と言えば各社従業員の評価を行ったり、昇給額が決定したりという時期ですが、サイボウズでは少し早めの10月〜12月にかけて人事評価を実施し、翌年の給与額を確定しています。
この記事ではサイボウズがどのように給与評価をしているのか、そして2022年末に決定した最新の評価結果をご紹介します。

サイボウズの給与評価方法とは?

サイボウズは、「チームワークあふれる社会を創る」ことを目指しています。私たち自身も「チームワークあふれる会社」であるために、一人ひとり個性の異なるメンバーが「チームの生産性」と「個人の幸福」をバランスさせた状態で働くことを理想としています。そのため、給与評価についてもお互いが求める条件をすり合わせ、本人の希望と会社からのオファーをマッチングさせる形で決めています。その際の観点として、会社から見たチームへの貢献度社内需給市場相場等を総合的に加味しています

サイボウズの給与評価イメージ

 給与決定までの流れは、以下のようなイメージです。

①条件に関するコミュニケーション
まずメンバーは、「チームに対してどのように貢献するか」と「給与や働き方に関する希望」を整理してマネージャーに伝え、コミュニケーションをしていきます。例えば
「来期は担当業務にこのように取り組むことで、チームに貢献していきたい」
「来期の貢献を通じて年収800万円を希望する」
「サイボウズの勤務を週4日にし、もう1日は副業に充てたい」

といった内容です。

より長期の視点で、
「35歳までに年収900万円の価値が出せる実力をつけたい」
「将来マネージャーとして活躍したい」

といった希望を伝えるメンバーもいます。
サイボウズでの仕事を含め「どのような生き方をしたいか」は個々人で異なります。金銭的な報酬に大きな価値を置く人もいれば、働き方(時間や場所)、サイボウズで得られる経験に価値を置く人もおり、広く言えばそれぞれがその人の理想に基づく「報酬」だと言えます。その理想を軸に、メンバーは自身の希望をマネージャーに伝えます。
「どのように貢献するか」ということは、年末に実施する給与評価のコミュニケーションの中で示すだけではなく、もちろん日々の業務の中で実態として示していく必要があります。仕事ぶりを見ているマネージャーが総合的に判断し、業務スキルやチームで発揮するリーダーシップといった貢献を給与評価へ反映していくことになるのです。日ごろから自分自身がどのように働きたいかを考え、その状況に向けて成長・貢献していくことが求められます。

②条件オファー
メンバーとのコミュニケーションを経て、マネージャーがオファー金額を検討・起案し、本部長が決定します。その際マネージャーは、貢献度、社内需給、市場相場等の観点からオファー内容を検討します。これらの観点をどのようにオファー金額に落とし込んでいくのか、イメージがしづらいかもしれません。そのため、参考として、例えば調査会社の実施する報酬サーベイにおける同業他社内でのサイボウズの給与水準等の情報を、人事から全社向けに公表するなどの工夫をしています。そういった情報は、メンバーが自身の社内価値の認識をマネージャーとすり合わせる際にも活用され、
「自分はこのレベルだと認識しているが、マネージャーの認識と相違がないか?」
「○年後にこの給与レベルに達するには、いま何が足りていないか?」

といった具体的な話ができるようになります。このような工夫が、サイボウズとメンバー間での納得感のある給与コミュニケーションを支える土台になっています。

③本人受入れ・条件決定
オファー金額をメンバーが受け入れ合意することで、給与額が決まります。合意がなされない場合には、メンバーとマネージャーの間でコミュニケーションを継続し、サイボウズが期待することと本人の希望との間にどのようなギャップがあるか、今期は難しいとしても今後希望するオファーを受けるためにはどうするとよいのか等を話します。結果として、合意に至らない場合もあります。サイボウズのオファー内容が自分の希望とマッチせず、サイボウズ以外の選択肢を考えるメンバーもいますが、そのような選択も尊重したいと考えています。

メンバーへのオファーのイメージ

過去にはサイボウズの給与評価を説明する際、「サイボウズの給与は『転職したらいくら』で決める」という表現をしたこともありました。今も市場相場等を参考にしているのは事実です。しかし、他社とサイボウズでは、事業環境も、採用、報酬、制度の考え方等も異なります。「転職したらいくらか」は、オファーを検討する際の観点の一つである市場相場を表す数字ですが、他社のオファーがいくらだからサイボウズも同じ金額を払うということにはなりません。給与交渉でいくら勝ち取るかといった駆け引きを行いたいわけでもありません。本来ここで行いたいのは、給与に限らず、業務内容や働き方を含めた条件の認識合わせです。この機会を、本人の成長やチーム内での役割分担等を検討する場にもつなげています。

最新のサイボウズの平均年収総額と昇給率を公開!

サイボウズが2022年末に実施した給与評価の結果、2023年の全社の想定平均年収総額(※)は703万円となりました。

平均年収総額の推移(2017年~2023年)

※この平均年収総額には、給与評価時点で在籍する無期雇用メンバーの給与、賞与、持株会奨励金、在宅環境手当等が含まれます。また、2022年度については臨時で支給したインフレ手当も含まれています。有価証券報告書でも平均年収を公開していますが、その数字は「人件費総額÷無期雇用メンバーの年間平均雇用人数」で算出され、当年入社社員や休職中社員等も含まれた数字となっているため、差異が生じています。                             

また、今回の給与評価における昇給率は 8.10%(※)と過去最高になりました。これは、先ほどご説明したサイボウズの給与評価方法により、市場相場の変化等も意識して個々の給与評価を行った結果です。この数字について、少し細かく説明したいと思います。

サイボウズの過去10年の昇給率推移は、以下のグラフの通りです。この推移をみると、最新の昇給率はとくに高い数値であることがわかります。この数字となった背景には、市場相場を加味した要素が大きいと言えます。

過去10年の昇給率の推移(日本拠点のみ)

具体的にいくつかの要素をご紹介しましょう。まずは、世の中の賃上げ傾向といった市場変動の影響です。いま日本国内では全体的に昇給を意識する傾向にあり、今回の昇給率はそのような市場動向の影響を受けたと言えます。
また、業界内での採用競争率が激化していることも挙げられます。市場相場を給与評価の1観点としているサイボウズでは、同業他社との給与水準比較や求人倍率などのデータも確認しています。サイボウズが含まれるIT・情報業界では現在求人倍率の高い、いわゆる「売り手市場」が続いており、給与が上昇する傾向にあります。

加えて、現在サイボウズは事業の拡大期にあり、クラウドサービスの収入が伸びてきているという背景も挙げられます。サイボウズのクラウドサービスは開始から10年間、毎年対前年+で売り上げが伸長しており、安定した収入基盤となってきました。収入が増えるということは、その分メンバーに金銭的な報酬として還元できる割合を大きくすることができるということです。安定した収入基盤があることで、今回の昇給率を達成することができたと言えます。
<サイボウズの売り上げに関する情報はこちらをご覧ください>

なお、次年度以降についても同様、その時点での市場相場等を総合的に勘案して給与評価を行う予定です。今回は様々な市場要因が連動し結果的に高い数値になったと言え、次年度以降も市場の状況に応じて結果が変動していくと言えます。
このことは同時に、サイボウズ自身が社会に対する貢献価値を高めれば、分配財源の確保にもつながると言えます。私たちはその循環を高めていくことを目指していきたいと考えています。

※この昇給率は日本拠点のみの数字であり、2022年末確定の新給与額と、それまでの給与額それぞれの実数から算出したものです。この給与評価のタイミングで働き方の変更を行い(例:週5日→週3日勤務等)、それによって給与額が小さくなったメンバーも含まれるため、すべてのメンバーを同じ条件下で算出した数値ではありません。様々に状況の異なるメンバーの昇給率を平均した数値であることも付記します。

おわりに

サイボウズの給与評価方法と最近の給与実績について、ご理解いただけたでしょうか?サイボウズの給与評価は、様々な変遷をたどって今の形にたどり着きました。もちろんまだまだ課題もあるため、少しずつアップデートを続けています。
「チームワークあふれる社会を創る」というパーパスを軸に、社会に貢献していくことが事業成長につながり、その事業成長がメンバーへの還元と幸福度の向上にもつながっていきます。その好循環をさらに加速していくことを目指して、私たちは今後も社会に貢献し続けていきます!

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