見出し画像

“働き方が自由”なサイボウズで「雨だから自宅で働きます」はいいの?新卒メンバーが人事本部の部長陣に聞いてみた!

みなさんは「サイボウズ社員の働き方」と聞いて、どんなことを想像しますか?
2010年から在宅勤務制度を設けていることや、育児休業制度が最長6年利用できること、応援している野球チームの試合観戦のために早退する社員がいることなど、”働き方が自由”とイメージされる方が多いかもしれません。
一方で代表の青野は過去のインタビュー記事で「サイボウズはよく『社員に優しい会社』という言われ方をします。でも、そんなことはないですからね。」とコメントしていたりもします。

では、実際のところどのくらい働き方が自由なのでしょうか?また、できる/できない働き方の明確な基準はあるのでしょうか?

そこで今回は読者の立場に一番近いかもしれない?入社して3ヶ月の新卒4名に協力してもらいました!それぞれがしてみたい働き方の”難易度”を、人事制度を知り尽くした人事本部のマネージャー職の方に評価してもらいます。答えてくれるのはこのお三方です!

左から人事労務部部長・恩田さん、環境デザイン部部長・伊藤さん、Recruiting&Onboarding部部長・武部さん
左から人事労務部部長・恩田さん、環境デザイン部部長・伊藤さん、Recruiting&Onboarding部部長・武部さん

前提・ルール

・現在の働き方は平日9:00-18:00の週5日勤務とする   ・事前相談やチーム内での共有が必ずあることを前提とする   ・平常時における相談であることを前提とする(プロジェクトや月次業務の繁忙期・締切前などではない)   ・自部署に今年所属した新人メンバーに割り当てた役割・業務において実現する難易度を解答する

◯×△の評価基準

「〇の評価基準」  チームメンバーに共有し、自主的に業務調整を行っていれば、実施して問題ない。  (休暇申請や、所定の方法でチーム内に共有する等の適切な手続きが必要)
「◯」:チームメンバーに共有し、自主的に業務調整を行なっていれば、実施して問題ない
「△の評価基準」  現状の働き方宣言のままではややハードルがある/やや難しい     あらかじめマネジャーに相談し、業務調整を行う必要がある。  本人だけでなくチーム内の業務調整も必要になる場合があり、働き方宣言の変更や条件コミュニケーション(給与決定)面談を経て、業務内容や給与を見直す可能性がある。
「△」:現状の働き方宣言のままではややハードルがある/やや難しい
「×の評価基準」  希望する働き方を受け入れることは難しい
「×」:希望する働き方を受け入れることは難しい

それでは早速質問してもらいましょう!

Q1 先輩と同じ日に休んでも平気ですか?

Q1 先輩と同じ日に休んでも平気ですか?

所属部署のメンバーが休み予定をいれている日に自分も休みを入れたくなった時、休んでもいいですか?先輩社員と違う日に休みを入れなくても良いのでしょうか。(環境デザイン部・里中さん)

回答は…全員「◯」でした!

Q1は全員「◯」でした

伊藤:先輩社員と同じ日に休みを取ってもらって問題ありません!

恩田:問題ないです!でも…

でも?

恩田:チーム内の他のメンバーが休む日に後から休みを重ねて入れることが連続したり、そのことで他のメンバーが休みづらい状況になってしまったりすると、信頼関係には影響はあるかも…。

マネージャーならではの視点ですね。

伊藤:夏季休暇など、休みが重なりがちな時は「チーム内で事前に調整しましょう!」とはお願いするかもしれません。

早いもの勝ちではないと確認できて安心しました!

Q2趣味を優先したいので今月だけ週3勤務にすることはできますか?

Q2趣味を優先したいので今月だけ週3勤務にすることはできますか?

趣味などプライベートのことを優先したいことを理由に「今月は1ヶ月間だけ週3勤務します」というのはできますか?有給休暇を毎週2日ずつ取得して、月に合計8日有給をとるイメージです。(環境デザイン部・橋爪さん)

…これはどうでしょうか?みなさん悩みながらも△を挙げました。理由を聞いてみましょう。

Q2の回答フリップを上げるマネージャーたち

伊藤:現在の働き方では週5日勤務することを前提として業務をお任せしています。1ヶ月の期間を週3勤務にするということは稼働時間が減るので、お任せしている業務の調整の必要がありそうです。役割の見直しや、場合によってはチーム内での業務分担の変更はありえそうです。

有給休暇を月に8日間取ることは問題ないけれど、調整は必要になりそう、ということですね。

恩田:1ヶ月限定でその働き方をすることはOKですが、周囲への影響を考慮して、事前に業務調整の相談ができると良いですね。長期にわたって違う働き方をする場合は「働き方宣言」を変えましょう、としているので、目安として1か月を超える場合は働き方宣言を変えましょう。

伊藤:社内事例では、週5日勤務を週4日勤務に変える前に、週1日を有給に変えて様子をみます、というのがありました。そのような場合も事前にマネージャーに相談しているはずです。あらかじめ計画されていて、「橋爪さんがこの1ヶ月は週3日勤務になるからチームの業務量はこのくらいで考えておきましょう」という調整ができていれば1ヶ月だったら有給取得でいけるかもしれないですね!

武部:有給休暇を使う以外の方法で実現したいという考えはあったんですか?

橋爪:いえ。世の中には会社員と音楽活動を両立している人で、音楽フェスの出演前に準備期間として1ヶ月間有給休暇をとることで調整している方もいると聞いたことがあります。サイボウズでは有給のそういった使い方ができるのかな?というのが質問の経緯でした!

一同:なるほど!

Q2の質問者と会話するマネージャーたち

恩田:サイボウズにもそういう方はいますよ。「ワールドカップを現地で観戦するために休みます」とか「スポーツの大会出場のため休みます」とか。

伊藤:どちらも1年前くらいから不在時どのようにカバーするか計画を立てたりして、休んでいますよね。身近にも4年に1度、1ヶ月程度の休みを取るメンバーがいて、その方は不在時の外注先を自ら手配して周囲への影響を最小限に済ませるように準備していました。

恩田:そこまで準備をして周りへの影響を考慮して休む準備をされるのなら、好きなことをするために休むことを応援してあげたいな!と私たちも思います。

伊藤:こちらも応援したいと思うし、有給を取ることは権利なのでとって大丈夫だけど、いつ休むかわからないと仕事を任せづらいと思われてしまったり、お願いできる業務が少なくなってしまったりとお互い不幸ですからね。コミュニケーションをとっていきましょう!

武部:コミュニケーションをとること前提で。ご利用は計画的に!

一同:笑!

笑顔のマネージャー陣

サイボウズの「選択の自由」と「覚悟」の具体的な話を聞けて参考になりました。どんどんいきましょう!

Q3今週の月曜日だけ勤務時間を1時間後ろ倒しにして働くことはできますか?

Q3今週の月曜日だけ勤務時間を1時間後ろ倒しにして働くことはできますか?

僕は平日9:00〜18:00で働くことを宣言しています。単発で今週は月曜日だけ10:00〜19:00で働く、といった働き方は可能ですか?(Recruiting&Onboarding部・山野さん)

マネージャーの皆さん、すぐさま「◯」を挙げました!

武部:これは気持ちよく「◯」です!ちゃんとチームに時間変更が伝わっていれば問題ないです。

話すR&Oマネージャー

山野:時間を変更する場合、申請や共有する手段は全社で統一されていますか?

伊藤:単発の変更に申請は必要ないです。予定の共有方法はチームによって異なりますが、人事本部ではスケジュール管理をしている「Garoon」の「期間予定」という機能を利用して予定を登録しています。このように登録すれば通常のスケジュールに干渉することなく他のメンバーに予定を共有することができます。

武部:山野さんは採用面接に関わっているのでご存知かと思いますが、面接官をお願いしている方は、スケジュール上で勤務状況を表明することがとっても重要です!面接の予定調整を担当してくれているメンバーは、スケジュールをとっても細かくチェックして調整してくれるんです。なので、普段と違う働き方をするときは伝わるように書いてほしいです。

(面接に限らず、サイボウズではスケジュールが空いている所には事前相談せず打ち合わせを入れてOKというルールで運用しているので、周りに伝わるように書く必要があります)

恩田:予定を入れてほしくないところは自分で予定をブロックしておく事も大切ですよね。直前にちょっと予定を変えるとかなら影響範囲は狭いかもしれないけど、いずれにせよ周囲から分かるようにしてほしいですね。

話すマネージャー陣

Q4. 地元が恋しい…。帰省がてら2週間くらいリモートワークしてもいいですか?

Q4. 地元が恋しい…。帰省がてら2週間くらいリモートワークしてもいいですか?

上京して3ヶ月、地元が恋しくなってきました。リフレッシュがてら地元で2週間くらいリモートワークしたいと考えています。1年目でもそういったことはできますか?(環境デザイン部・里中さん)

ちょっと意外?全員「△」でした!

Q4は全員「△」を回答

伊藤:年次関係なく、あらかじめチームに共有がされていて、出社が必要な業務をチーム内で分担できている状態であれば、「◯」です!ですが環境デザイン部ではオフィスへの出社を前提としたお仕事が多い部署です。例えば1ヶ月くらいリモートワークが続く場合にはお願いできる業務が限られてしまいます。その際は働き方の条件を見直すことがあり得ますので、「△」にしました。実現できるといいですね!

「働き方宣言制度」は多様な働き方があってもチームワークよく働くために必要な制度なのですよね。
個人が希望する働き方を実現するための協力を得やすくすること、チームがチームメンバーの働き方を知り、チームで長期的・短期的な役割分担ができることを目的にはじまった制度なので、イレギュラー状態が長引くのは制度の趣旨に合わないということですね。

質問する山野さん

山野さん:僕からも質問よろしいですか?年末年始などでは祝日を挟んで数週間リモートワークが続くこともあると思うのですが、その場合は働き方宣言や条件コミュニケーションをした方がいいのですか?

武部:「働き方宣言」は実態にできるだけ合わせたいというのがあります。実態と宣言がずれている状態が長引くのは好ましくないので、そういうことが続く場合は見直しましょうとしていて、それの目安を「1ヶ月くらい」としてます。

説明する武部さん

伊藤:1ヶ月の目安以上に長い期間、たとえば「2ヶ月間リモートワークしたい」となると、里中さんにお任せしている業務のうち出社での対応が必要なものは別のメンバーに振り分けることになります。
そして出社が必要のない仕事を里中さんに集めることになりますが、週5日8時間かけてやる量の業務がないかもしれません。そうなるとお給料の調整がどうしても発生してしまうかもしれません。また、このチームよりも他のチームで働いてもらったほうがよいのでは?という考えも出てきそうです。

働く上ではチームの仕事とマッチングする必要があり、ときにはトレードオフを伴うことがあるので、選択による変化を受け入れる覚悟がいるという具体例がよく理解できました!

Q5. 雨の日の通勤電車が辛いです…天候によって勤務場所を当日変更することはできますか?

Q5. 雨の日の通勤電車が辛いです…天候によって勤務場所を当日変更することはできますか?

雨が降っている日の通勤電車が辛いです…。出社の予定だったけれど、天候の影響で在宅にしたい…といった勤務場所の当日変更は可能ですか?出社しなければならない業務があるときは必ず出社する心算なのですが、何もなかった時に自分の判断で変更しても良いのでしょうか?(人事労務部・関さん)

恩田さん・武部さんは△、伊藤さんは◯と△で迷って両方あげています。

恩田:出社必須の業務がないという前提があればマルです!でも、私、予定の当日変更で失敗した経験があったので△にしました。
雨が理由ではなかったのですが、出社することを宣言していた日の朝、グループウェアをみたら出社が必要な業務(書類への押印)の依頼がなかったので在宅勤務に切り替えたんです。ですが、午後にワークフローが回ってきてしまって、自分が出社していれば当日押印できたはずなのにできずにご迷惑をおかけしてしまいました。

説明する恩田さん

伊藤:たしかに。宣言していたら、相手は明示していなくても、その日その人が出社することを期待して業務を進めている場合は当然ありますよね。

恩田:その方からは「次の出社日でいいですよ」って言ってもらえたけど、自分がそう言わせちゃったな…と反省しています。そういうことの積み重ねが信頼を失うことにつながってしまうと思って、背筋を正しました。

伊藤:私は迷って○と△を両方だしました。環境デザイン部でも、出社しているメンバーが多い日はオフィス内の突発的なトラブルにも対応できると思うと安心できるんですよね。皆に甘えちゃってるのかなー?!…それもメンバーのみんなに出社を期待していることを伝えないといけませんね。反省します!

武部:採用チームの場合、オファー面談や面接、イベントの対応をするときは何があっても出社しないといけないし遅れちゃいけないというのはあります。でもそれ以外は割と柔軟に調整ができると思うので、△にしてみました。

恩田:人事労務部では、出社が必要な業務も一定あり、当日急ぎの対応が必要になる場合もあります。今回は、1日だけ出社しないことを想定していると思いますが、雨の日に出社できないことが続く場合は、出社が不安定になることを前提に役割分担することが必要になります。今の業務を見直したり、それに伴ってお給料の調整をする場合も出てくると思います。

説明する武部さんを見守るマネージャーたち

アフタートーク

サイボウズは働き方が自由なイメージがあるので、「◯」が意外と少なかったことに驚く読者もいるかもしれません。
一方で、「×」は1回も出ませんでした。働き方の希望に応じて、業務内容や給与等の条件が調整出来るのであれば、受け入れられる範囲は広がるといえそうです。一概に「×」とは言い切らないところに、サイボウズで働く上でのコミュニケーションの重要さを感じました。

武部:新人の皆さんは特に、かもしれません。前提のルールはあるけど、コロナの時と今だったら状況が全然違うし、オフィスに空気も変わります。なので都度相談する姿勢が大事かもしれません。

伊藤:相談してくれると、マネージャーやチームメンバーも改めて「その意義ってなんだっけ?」とか「ちゃんと伝えないといけないな」と思うし、自分を顧みる機会にもなります。「おや?」と思ったらどんどん相談してほしいです!

参加してくださった皆さん、ありがとうございました!

今回協力してくださった2023年新卒の皆さん

総括

サイボウズでは「働き方宣言制度」を2018年5月から開始し「100人100通りの働き方」として、ありがたいことに広くご認識いただいています。多様な働き方を実現できる会社にしたところ、かつて人材の採用・定着に悩んでいたところも改善され、採用・教育のコストがおさえられるようになったことで今のサイボウズの姿があります。
しかし「100人100通り」の良い部分だけにスポットライトがあたり、自由なイメージが独り歩きしてしまっている側面がないとは言い切れないでしょう。
実際には、望む働き方とキャリアプランのバランスをとるのが難しく、選択肢が狭まったり、提示される給与が変わることもあります。そのトレードオフを受け入れる覚悟を伴うことから、社長の青野は「社員に優しい会社ではない」と発言していたのですね。

「サイボウズの舞台裏」ではサイボウズのリアルな面もどんどん発信していきたいと思いました!

この記事を書いた人:せながあい

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!

Twitterの公式アカウントでも情報を発信中!是非フォローしてください♪