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「育自分休暇」制度改め、「アルムナイ採用」始めます!

「サイボウズの舞台裏」スタッフの石川です。
サイボウズの人事制度の中でも特徴的だった「育自分休暇制度」を3月末をもって廃止し、新たにアルムナイ採用を始めることになりました。今回のリニューアルに関する経緯(舞台裏)を紹介します。

そもそも「育自分休暇制度」とは

無期雇用の方が退職時に利用を希望すれば最長6年まで再雇用が約束される制度です。育児休業が最長6年取得できることに合わせていました。
(参考:ワークスタイル|サイボウズ コーポレートサイト

なぜ「育自分休暇制度」を廃止するのか

育自分休暇制度はこれまで度々講演や書籍などでも紹介し注目されてきた制度です。このタイミングで廃止を決めた理由は大きく3点です。

希望制になり当初想定していた目的以外での利用が可能となってしまった

「育自分休暇制度」はその名の通り「サイボウズ以外の別の環境で“自分を育て”、成長するためのチャレンジを応援したい(そしてゆくゆくは戻ってきてほしい)」という思いで始まった制度です。
策定当初は承認された方だけが利用できる制度でしたが、退職時点で個別に承認/否認を判断することは非常に難しく、2020年からは希望した方が全員取得できる制度に変更しました。ただ、希望者全員が利用できるようになったことで、“自分を育てる”という目的以外にも退職理由に関わらず将来の保険のようなものとして誰でも利用できるものになり、本来の目的に沿わない形となっていました。

希望者全員と再雇用を約束することはやはり難しい

希望制で誰もが利用できる制度になったがゆえに、仮に退職時点で在籍時の状況などを鑑みて再雇用が難しいと思っていたとしても希望を断れない状況になってしまいました。社内の人員状況も刻々と変わる中で受け入れが難しい場面も出てくることが想定できるため、このまま希望者全員と再雇用を約束し続けることは難しいと判断しました。

策定当初と状況も変わり、制度を維持し続ける必要性が薄れた

制度ができた当時のサイボウズは、若手社員の定着率に課題を感じていました。入社後わずか数年で成長環境を求めて転職していく人たちに対して「また戻ってきて欲しい」という思いから育自分休暇制度をスタートしました。しかし、制度が誕生してから10数年経ち、サイボウズの状況も大きく変わりました。現在では当時と比べて離職率も低く、新規採用も継続的に実施できているため、退職者だけに特別にまた戻ってきて欲しいと強くメッセージを出す必要性も薄れてきていると考えます。

ここで誤解がないように補足しますが、サイボウズは「育自分休暇制度」ができる前から現在に至るまで、再入社を受け入れる文化がある会社です。退職時点で育自分休暇の利用を希望しなかった方でも、復職されて活躍されている方がたくさんいます。今回の廃止によって、そうした文化まで無くしたいという意図は一切ありません。ただ、再入社を約束できないケースもある中で、現状に合わせて制度も柔軟に見直しアップデートしていきたいと考え、今の制度にこだわらないこととしました。

これから始める「アルムナイ採用」とは

アルムナイ採用
コンセプト
誰に)サイボウズを退職した方に
何を)退職後に、再びマッチングする機会を持ちやすくなる

退職者をアルムナイ(卒業生)として退職後も引き続き関係性を維持する動きが様々な企業で起きていますが、サイボウズも例外ではありません。一度会社を辞めたら関係性が途切れてしまうわけではなく、ゆるくつながりを持ちつつまた働きたいと思ったタイミングでマッチングを検討できる関係性を維持したいと考えています。これまでのように希望者全員と再雇用の約束はしませんが、育自分という特定の退職理由に限定されることはありません。6年といった特定の期限を設けることもなく、いつでも復職の希望を伝えることができるようにします。

退職からどれくらい期間が空くかにも依りますが、選考ステップを減らして負担を軽減したり、募集していないポジションでも受け入れ可能性を広く検討したりと、卒業生向けの採用フローを準備します。今後、アルムナイの活動がさらに充実してきた際には募集中のポジションの情報をタイムリーに受け取れるような仕組みを整えることや、現役社員との交流を通じて復職の可能性を検討できるようなイベントも企画していきたいと考えています。

最後に

サイボウズにとって特徴的な制度であった育自分休暇制度を廃止することになり、読者の方の中では驚かれる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、いかに特徴的な制度であっても時代に合わせてその存否を常に考え、必要に応じて作り替えていくことが会社を進化させていくためには必要なことだと思います。
育自分休暇制度というチャレンジングな制度に負けないようにこれからも果敢に挑戦していける人事でありたいと思います。

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