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「モチベーション3点セット」でキャリアのコミュニケーションをしてみませんか!

今回の記事では、サイボウズ社内では「モチベーション3点セット」と呼ばれている考え方を使って、キャリアについてコミュニケーションする方法をご紹介します。

メンバーのキャリア支援やモチベーション管理に取り組まれている人事・マネージャーの皆さんだけでなく、今まさにキャリアについて悩まれている方にとって少しでも参考になったら嬉しいです。

モチベーションの源泉を知ることが「自立」につながる

前回の記事では、サイボウズは働き方だけではなく、キャリアも100人100通りで、「自立」を前提に、メンバー1人ひとりが自分のキャリアについて考え、行動することが必要、とご説明しました。

そういうと「サイボウズのメンバーはみんな最初から自立し、やりたいことが明確で、キャリアについて悩む人は少ないのでは?」と思われる方がいるかもしれません。また、最近よく耳にするようになった「キャリア自律※1」の考え方をいち早く取り入れている企業に見えると思います。

しかしながら、サイボウズのメンバーも「自分に向いている仕事がわからない」「やりたい仕事があるけどできるか不安」「将来のキャリアに悩んでいる」など、他の企業で働く方々と同じような悩みを持つ方は当然います。

決められたキャリアステップがなく、ロールモデルを見つけにくい環境だからこそ、自立してキャリアを考えるためには、1人ひとりがしっかりと自己理解を深めることが必要で、自分自身のモチベーションの源泉を知ることは、自己理解を深める第一歩です。

今回ご紹介する「モチベーション3点セット」を使うことで、モチベーションの源泉に向き合うことができ、チームとメンバーがお互いに共通認識を持って仕事やキャリアについてコミュニケーションができるようになります。

※1「キャリア自律」
… 働く個人が自らのキャリアについて主体的に考え、自らのキャリアに責任を持ち、自らキャリア形成に取り組んでいる状態のこと

キャリア自律とは|リクルートマネジメントソリューションズ
(https://www.recruit-ms.co.jp/glossary/dtl/0000000220/)

モチベーション3点セットとは

3点セットの構成要素はこちらです。

モチベーション3点セット

「やるべきこと」:チームの理想、周囲からの期待
「できること」 :メンバーのスキル、知識
「やりたいこと」:メンバーの理想、希望

サイボウズでは、この3つが重ね合わさったところで仕事ができるとモチベーション高く仕事に取り組めると考えています。「仕事・キャリアに悩む」「モチベーションが上がらない」時は、往々にしてこの3つの重なりが小さくなっていたり、何かが離れてしまったりすることが多いです。キャリアについてモヤモヤしたら、まずはこの3つをそれぞれ言葉にして整理してみて、3つの輪の重なりをぜひ確認してみてください。

その「やるべきこと」は、メンバーからの共感が得られるか

「そもそも仕事とは何か」この3つの要素を使って考えると、チームの「やるべきこと」とメンバーの「できること」が重なっているところに仕事は生まれます。つまり、極端な話をすればメンバーの「やりたいこと」がなくても仕事自体はできる、ということです。ただ、それだと仕事はつまらないものになり、メンバーが離れていく原因にもなります。

チームはメンバーの「やりたいこと」にも耳を傾け尊重することや、チームの「やるべきこと」をメンバー自身にとっても「やりたいこと」だと共感を得るための努力が必要です。

メンバーが「やりたいこと」で悩まないためには?

「やりたいこと」は一見するとポジティブな言葉ですが、時に以下の悩みを生み出します。

( 1 )「やりたいこと」に挑戦できない/挑戦する機会がない
( 2 )「やりたいこと」がない/わからない

( 1 )「やりたいこと」に挑戦できない/挑戦する機会がない

メンバーが「やりたいこと」に挑戦できない時は、まだメンバーの「できること」が足りない、というケースがあると思います。どのようなステップや方法で「できること」増やしていけばよいか、メンバー視点ではわからないこともあるので、チーム視点で期待や希望を伝えながら、一緒に目標を設定していけると良いと思います。

また、たとえメンバーの「やりたいこと」であっても、チームにとっては「やるべきこと」でないケースもあると思います。挑戦できないことで、メンバーのモチベーションは下がってしまうかもしれません。ただ、そのような時に、副業など別の場所で挑戦する機会があればどうでしょう。挑戦できない理由をメンバーが納得できるよう説明することはもちろん必要ですが、会社以外の場所で伸び伸びと挑戦できるように、人事制度を整えておくことも大切です。また、自らの「やりたいこと」のために会社を去っていくメンバーもいるかもしれません。そのような時に、また戻って来られるような出戻りの制度を設けて、温かく送り出せる体制や風土を作っておくことも必要かもしれません。

( 2 )「やりたいこと」がない/わからない

「やりたいこと」がないと悩むメンバーには、無理に探させようとはせずに、そのメンバーが得意な仕事、つまり「できること」をお願いするようにしてみてください。「できること」をきちんとやることで、メンバーはチームから感謝され、信頼を得ることができれば、モチベーションの向上にも繋がります。仕事を通じて「できること」を増えれば、将来のキャリアの選択肢を増えるので、「やりたいこと」が見つかった時のための準備期間として捉えられるとよいでしょう。

「できること」は増やせばよい、というわけではない

3点セットのうち、「できること」は1人ひとりの努力次第でその輪を大きくしていくことが可能です。しかし、闇雲に「できること」の輪を大きくしても、それが「やるべきこと」と「やりたいこと」に重ならない場合は、仕事のモチベーションにはなかなか繋がりません。メンバーが「できること」を増やしていきたいと思った時に、どのように「できること」を増やしていけば良いか、助言や方向付けなどのフォローが大切です。たとえば私はIT企業の人事なので、他業界の人事と比べるとIT業界のことに詳しく、自社のプロダクトについても理解があります。ただ、たとえば営業のようにお客様にプレゼンができるほどの製品知識や、エンジニアのようなプログラミングスキルは身につけていないですし、求められていません。それよりも労働法令や労働情勢について学び、スキルを高めた方が、人事としての「できること」を増せます。「できること」を増やすためには時間や体力、お金を使うことになるので、どんなスキル・知識をどのような方法で習得していけば良いか、「やるべきこと」や「やりたいこと」を念頭にメンバーとチームが相談しながら一緒に考えていけるとよいと思います。

終わりに

いかがでしたか。皆さんも今日から”モチベーション3点セット”を使って、自分のモチベーションの源泉に改めて向き合ったり、コミュニケーションを取ったりできると思いますので、ぜひトライしてみていただけると嬉しいです。次回はキャリア支援制度の1つである「ジョブボード」についてご紹介します。気になる方はnoteのフォローもお願いします。

書いた人_石川憂季

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