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「感動課」が生まれ変わりました

2011年2月1日の誕生以来、サイボウズの社内外で広く親しまれ愛されてきた「感動課」。実は2023年1月に「感動課」という組織名はなくなり、「人事本部コネクト促進部」に再編されました。

今回の記事では、感動課が生まれ変わった背景、これまでとこれからの活動について、感動課長改め感動アンバサダーの想いを紹介します。



インパクト抜群だった「感動課」から代わり映えのない組織名に

この記事をご覧のあなたなら、「感動課」をすでにご存じかもしれません。サイボウズ社内のイベント企画・運営や、誰かを感動させたい人のお手伝いをしてきた部門です。

「職場に感動を!」をスローガンとし、感動の華を咲かせるための専任部署があるというユニークさは、これまで多数のメディアに取り上げられてきました。社外の方から「感動課を参考にして新しい取り組みを始めた」という声が届くことも珍しくありませんでした。

サイボウズの感動課がどのようにできてどのような活動をしてきたのかは、感動課長福西の連載コラムをぜひご覧ください。

「感動課」ができるまで - "感動課"の不思議な毎日(AdverTimes. 2013.10.02 掲載)
https://www.advertimes.com/20131002/article128393/

社内外に広く認知され、一定のブランド力があったとも言える「感動課」ですが、2023年1月に同じ人事本部内の「コネクト促進部」という部門内のチームに再編され、組織図上の名称としては消滅しました。

再編後はプランニングチームとクリエイティブチームという2チームになり、引き続き協働する施策ではそれぞれのチームの頭2文字を取った「プラクリ」という愛称で活動しています(※1)。

※1:コネクト促進部にはこのほかに「コミュニケーション促進チーム」があります。コミュニケーション促進チームについてはこちらをご覧ください。

オンラインだからこそ「新たなつながり」をつくりやすい──年間206組もの関係を生み出す、サイボウズの社内コミュニケーション施策とは – THE HYBRID WORK(2022.06.13 掲載)https://hybridwork.cybozu.co.jp/articles/internal-communication/

インパクト抜群の「感動課」から、コネクト促進部プランニングチームとクリエイティブチームへ……。組織名としてはパンチのない、代わり映えのしない名称になったのです。

感動課の課題とチーム再編

感動課の再編と名称変更については、2021年の終わりごろから1年以上議論していました。

2021年末のサイボウズメンバーはグローバルで1200人ほどとなり、2011年に感動課が生まれた頃のおよそ4倍。一方で、感動課が手がける社内イベントの参加者や、感動課への依頼を随時受け付ける施策の利用者は固定化しつつありました。

根強いファンがいるものの、感動課のアウトプットに触れるメンバーや特有のコンテキストを理解できるメンバーが相対的に少なくなり、「何をしているかわかりにくい」「内輪受けになっているのではないか」というフィードバックをしばしば受け取るようになっていたのです。

感動課には10年以上蓄積してきた暗黙知があります。それこそが心震える感動を生み出す源泉とも言えます。ですが、暗黙知は属人化と容易に結びつき、組織の拡大と相性のいいものではありません。

そして感動課がフォーカスしてきた「感動」は、さまざまある感情の中で比較的強いものです。サイボウズにはさまざまな仲間が増えました。距離感の多様性が増した組織の中では、「感動」を重視することでターゲットを限定的にせざるを得ないことや、メンバー同士のつながりを豊かにする機会を見逃してしまうこともあるでしょう。

感動課は会社の成長とともにスケールする部分で課題がありました。

断続的な議論を経て、いよいよ体制をつくっていかねばとチーム再編が加速したのは2022年の秋でした。メンバー3人+人事本部長という構成だった感動課に、チームの活動基盤づくりやプロジェクトマネジメント等を担うメンバーが2人加わりました。「感動」に限らず社内のつながりを促進する「コネクト促進部」に生まれ変わること、活動の見える化を進めスケールできる体制にすること等を決めていきました。

感動課は、成長した組織でより活躍の場を広げるために生まれ変わったのです。

「感動」だけではない「つながり」への挑戦

ここからは、旧感動課であるコネクト促進部プランニングチームとクリエイティブチーム(愛称「プラクリ」)誕生から7ヶ月強の挑戦の一部を紹介します。

シンプルにわかりやすく、オフライン×ローカルの「春の新歓フェス」

まずは4月に開催した社内イベント、「春の新歓フェス」。

前年までは「お花見」という名前で開催し、「新人卒業式」を行うのが恒例の行事でした。新人卒業式とは、4月に入社2年目を迎えた新卒入社メンバーの成長や貢献を表彰状にし、所属チームの先輩やマネジャーが読み上げて贈るものです。贈る側も受け取る側も見ている人も涙ぐむことがしばしばあり、根強いファンのいる「感動」的なイベントです。(感動課の企画するイベントが感動を大事にしていることと、特有のコンテキストがあることを感じ取っていただけたでしょうか。)

2023年はこの新人卒業式の「感動」要素も残しつつ、テーマとしてはシンプルに「仲間が増えたことを集まって喜び合う」としました。

新卒入社メンバーだけでなくキャリア入社メンバーも対象にした「新人・若手卒業式」などのステージと、写真映えを意識したケータリングコーナー、部活動紹介ブース、社長とのチェキ会、軽音楽部のライブなど、複数のコンテンツをフロア内の離れた場所に配置しました。そうすることで、メンバーがそれぞれ興味のあるコンテンツを心地よい距離感で回遊できる、オフラインイベントのよさを活かした設計としました。

また、知っている人と対面で話せた、対面ではじめましての人と会話ができたという小さな「つながり」促進のために、グループウェア上のアイコンを缶バッジにしたり、会話の糸口になるステッカーを配布したりというしかけも用意しました。

新型コロナ関連の行動制限緩和もあってイベント参加人数は目標を大きく上回り、参加者アンケートでも企画意図通りの回答を多数得ることができました。

4言語展開に挑戦した、オンライン×グローバルの「創業記念動画週間」

次に、8月に開催したばかりの「26th Anniversary Film Gala - 創業記念動画週間 -」。こちらは完全非同期のオンラインイベントです。最大の特徴は、日本語、英語、中国語、ベトナム語の4言語で同じコンテンツを楽しめること(※2)。

※2:イベント多言語化にあたっては、翻訳・通訳の専門家集団であるTranslation&Interpretation部の多大なる協力をいただきました

サイボウズメンバーのおよそ2割は日本以外で働いており、海外拠点の大多数のメンバーは日本語を使いません。言語やタイムゾーンが異なるメンバーと同じコンテンツをシェアすることで、「役割も地域もさまざまなメンバーと一緒に未来をつくっている」というつながりを感じられないだろうか。そう考えて、オンライン×グローバルに大きく舵を切ったイベントです。

このイベントは、プラクリ制作のキーコンテンツ3本と、 kintone上のアプリに、世界中どこからでもショート動画を投稿できる参加型企画のふたつを軸に構成しました。

プラクリ制作のキーコンテンツは、社内で関心の高いプロジェクト等に参加しているメンバーが、US、ベトナム、日本から出演する動画です。3本の動画に4言語の字幕をつけ、創業記念日である8月8日までに順次公開していきました。

キーコンテンツの感想がさまざまな言語でグループウェア上に投稿されたこと、参加型企画に各地から工夫を凝らしたショート動画が投稿されたこと等から、距離と言語を超えたつながりを感じることができました。

このようなオンライン上の反応や動画コンテンツ再生数から、企画時点の狙いに対しては一定の手ごたえがありました。その一方で、非同期型の完全オンラインイベントだったために特に日本のメンバーからは「リアルで集まりたかった」「イベントに気づかなかった」というフィードバックが多く集まりました。これらは次回への課題として捉えています。

新しい「つながり」に向けた取り組み

チームの人数が増え、活動基盤がある程度整ったことで、上記のようにより複雑なプロジェクトに取り組めるようになりました。さらにこれまで手が届かなかった領域にも活動範囲を広げています。

例えば社内報の復活、人事制度の裏側を伝える社内動画チャンネル、サイボウズを卒業したメンバーとのつながりであるアルムナイネットワークなど。いずれも「感動」とは少し異なる角度から「つながり」を意識した取り組みになりそうです。

感動課長改め、感動アンバサダーの想い

それでは "感動課長" 改め "感動アンバサダー" 福西のコメントでこちらの記事はお開きといたします。

「感動課が出来て10年以上が経っていました。

最初の数年は基盤を作り、次の数年はやることを拡大し、最近では仲間を増やしてきました。常に同じことをやっているように側からは見えていても、常に変化し続けたことが10年続いた秘訣の一個なのかなと思っています。そして環境の変化に伴いその先の進化を考えた時、今回はそれが名前を変えるということだったのかもしれません。

10年もやってますし、変わった名前なので愛着もありますし、改名してもまだまだ多くの人は感動課と呼んでくれます。それはとてもありがたいことだと思いますし、今までやってきたことが間違いではなかったんだと思わせてくれます。

名前を変えただけで、今までやってたことをやらなくなったわけではありません。上で紹介したイベントの中にも感動の要素は残っています。改名から半年、意識しているのは自分でやらずにチームでやること、任せることを意識的に増やしたことと、それによって時間を作ること。

新しく何かを始めるときに必要なのは、時間です。アルムナイや社内報、そしてまだ頭の中にある様々な施策。感動課を組織ではなくエッセンスとして分解することで、より多くの取り組みが出来るんじゃないかと、半年経ってようやく感動課がなくなる意味を感じてきたところです。

TwitterがXに変わる世の中です。ダーウィンは言いました。最も強いものが生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。 唯一生き残るのは、変化できる者であると。これからも変化し続けしぶとく生き残っていきたいと思います。」

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